ゆたかとエグモント

デンマーク エグモント教員片岡豊によるWEB日記
2006/06
29

パーソナル・アシスタント制度(その3)   



パーソナル・アシスタント制度は、デンマークでは一般には「ヘルプ制度」と呼ばれている。この制度は1970年代後半にオーフス在住の身障者たちが中心となって勝ち取ってきた制度のため、俗に「オーフス制度」とも呼ばれている。中でもオーフスに本部をもつ筋ジス協会の会長のクローさんが、大いに活躍されている。その背景は、クローさんの自伝書である「クローさんの愉快な苦労話」(ぶどう社・片岡訳、大熊由紀子監修)の本文、および解説に詳しく叙述されているので、興味のある方はぜひどうぞ。また、大熊由紀子さんの「えにしの会」のHPに、デンマークの自立生活に関する記事が、アップされているので、あわせて読んでもらえれば幸いです。http://www.yuki-enishi.com/ の「自立生活の部屋」

さて前置きはこのくらいにして、デンマークのパーソナル・アシスタント制度とは何かということを説明するために、まずは堅苦しい法的な面からはいることにする。この制度は、もともとは1976年に施行された生活支援法(Bistandsloven)の48条に基づいたものだったが、この生活支援法が1996年に社会サービス法に代わり、ほぼ同じ内容のものが77条として移された。
この77条はどのようなものかというのは、70条の見出し項目から推測されるのではないかと思う。

第71条
人的な支援および介助
家事援助
心身発達を維持するための支援

第72条
家族への介助負担を軽減するための支援

第73条
生活指導・教育的な支援

第74条
24時間の支援

第75条
個別的な支援

第76条
介助に関する現金支給 − 20時間以上の在宅支援の場合

第77条
介助に関する現金支給 − 外での活動の支援

第78条
同行者(アテンダント)支援

第79条
聾唖盲目者へのコンタクト・パーソン

第80条
精神障害者へのコンタクト・パーソン


障害者への福祉サービスは、上記の項目のほかに、年金支給(生活費保障)、家賃援助、バリアフリー賃貸住宅提供、多様な就労・教育・余暇活動援助サービス、補助器具支給・貸与、治療・リハビリ、障害者向け自動車支給、送迎サービスなど、多くあり、それぞれ法的基盤が整備されている。

さて、上記の法項目に戻ることにしよう。デンマークにおいては、パーソナル・アシスタント制度は、正確には現行の社会サービス法の77条のことを指している。つまり障害者が社会で活動することを支援する「介助に関する現金支給」ということになる。「現金支給」は、国際的には「ダイレクト・ペイメント」という言い方が使われていて、北欧諸国のみに関わらず、USA・カナダ、ヨーロッパ各地でも取り入れらている制度だが、その趣旨と内容はだいぶ異なっている。
この「ダイレクト・ペイメント」のことについて、次回、もう少し詳しく見てみることにしよう。"

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