ゆたかとエグモント

デンマーク エグモント教員片岡豊によるWEB日記
2007/02
22

ミケエルとオーフス制度(訳文)−1



「オーフス制度」は自由を与える

デンマークの重度身体障害者は、30年前から大きな自由を得ることの出来る制度を利用することができた。デンマークの「オーフス制度」だ。それは「障害補償」の考えを極限まで追及したものだ。毎朝、一人の人が、障害のために身体的機能をコントロールできない人を支援するために、言葉の通りに現れるのだ。

外はまだ暗い。ベッドの中で心地よい暖かさを味わっている。表ドアに鍵が差し込まれる音が聞こえてきた。ああ、彼が来たな。コートを脱ぎ、靴を履き替える音が聞こえてくる。

そしてコーヒーコップとお皿がぶつかる音を聞きながら、今日の日程を考える。すぐに彼に伝えておいたほうがよいことがあったかな。足音が寝室のドアに近づいてくる。すぐにでも天井のランプがつき、おはようという挨拶の声が聞こえてくるだろう。彼は1時間くらい前にはスタートしているので、清々しさに満ちた声だろう。

喜びがこみ上げてくる。彼や他の多くの人たちが、この20年間、私がしたいように自分の人生を生きる可能性を与えてくれていることを知ることに喜びを感じる。鋭い照明がつき、「おはよう、ミカエル。起きる準備はできたかい?」と新鮮な声が聞こえると同時に、今日の日程についての考えを終えた。

「オーフス制度」は世界でベストの「パーソナル・アシスタント制度」だと呼ばれてきた。それには理由がないわけではない。オーフス制度は重度の障害者に最大の自由を与える制度だからだ。自由には、自分と他人の人生に責任が伴う。自分の人生に対しての責任とは、自分の人生の内容について、自分で取り決めし、そしてコントロールすることを意味する。ヘルパーは実用的な支援のみをする。

他人の人生に対する責任は、この制度の利用者として、ヘルパーの雇用主となることによって発生することを意味している。ヘルパーは賃金収入と労働条件に依存することになる。それは大きな責任だ。しかし、その責任によって得られる自由は、さらに大きい。デンマークでは1100人の障害者が「オーフス制度」を選んでいる理由は、ここにあるのではないだろうか。- Michael 著
(続く)
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