丁抹よろず帖

北欧デンマークに在住のメンバーから、生活感溢れるデンマークをお届け
2005/12
15

デンマークのお葬式 その2



教会の前には誰もいなかったのですぐ入っていった。 やっぱりおばあちゃんの子供達、義父を含めて5人が立っている。一人ずつ握手をしてHUGをする。 おばあちゃんが亡くなったのは1週間前。私もお葬式の準備の経験があるが、みんなも準備で大変だったのだろう、悲しみと疲労が顔にでてる。 ”Hej… ” でも、”Jeg kondolerer.” が口にでてこない。あまりにも異質な表現だ。日頃使ったことも聞いたこともない表現なので感情が入らず言えなかった。 教会の中に入る。入り口から棺までの通路には参列者や家族からの沢山の花がカードが添えつけられて置いてある。 おばあちゃんは91歳で他界された。最後の瞬間までひ孫の洗礼式に出席したり家族をあちこち訪れたりとても活発な人生を送った方だったので、雰囲気としては悲しみやショックよりもみんなの愛情で一杯だった。花がそれを象徴している。 ただ、ひ孫達は悲痛の表情で涙を流していて何度ももらい泣きをしてしまった。(日本以外では使わないハンカチをもってきておいてよかった。) 小さな村なので牧師さん(女性)もおばあちゃんのことをよく知っている。牧師さんのお話はおばあちゃんの91年の人生、家族、趣味などとても温かい言葉で一杯だった。 埋葬は映画と同じ。牧師さんが「土からこの世に生まれ…」「今土に戻る。」「そしてまたイエスのように土から復活をする」というような言葉を言う毎にシャベルで土をかけた。 そのあと各自棺を見て、集会場へ向かった。 私としては合掌をしてお経を唱えたいところだったが、故人は仏教なんて知らない訳だしキリスト教徒としてはえらい迷惑だろう。郷に入っては郷に従え、ということで両手を組んで目を瞑って「ごくろうさまでした。」と日本語で言ってみた。それが一番言いたい言葉だったけどデンマーク語でニュアンスが合う表現が見つからなかったから。 まあ、あの世では言葉の壁はないらしいと聞いたことがある。言語より感情で伝わるものだと勝手に解釈させて頂いた。 集会場には百人はいたと思う。故人を偲ぶ人達、近況を語る人達、お腹がすいてて思いっきり食べる私達。 一時間位して親族代表が「来てくれてありがとう。最後にみんなで賛美歌を歌い終わりにします。」と語り一緒に歌ってみなさんお帰り。 ただ親族はその後夕食も一緒にするということが判明。待っている間に埋葬作業が終わって花で飾られているのを見に再び教会敷地内の墓地へ行く。 これは私の義母方の家族に言わせると初耳だそう。やっぱり土地によって違うことがある。 あの教会内の通路に飾られていた花がびっしりと敷き詰められていた。花の色、種類には全く制限がなかった。(注:私が知らないだけかもしれない。*) 春を思わせるかのような花の匂い。再び故人への愛情が感じられた。 *訂正:黄色の花は贈らない。黄色は偽り、不実の意味があるから

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